2013/05/07

【マーム/イタリア4】仕込2日目。必死に帳尻を合わせてくるイタリア人。

5月6日。仕込2日目。晴。

ツアーに同行してくださっているライターの橋本倫史さんの写真付きのレポで、昨日の仕込中、キャストのみんなが何をしていたか分かりました(笑)
こうやって記録をしてくださる方がいるということはありがたいことです、本当に。

まずは、いろいろ作業がずれ混んでいることもあるので、朝一番に今日のスケジュールをみんなで確認。テクニカル側のスタッフは、今日も会場に籠って引き続きセットアップ!




昨日届かなかった機材が続々と届きます。


昨日とは別人のように、てきぱきと各セクションがめまぐるしく作業を進めていきます。
イタリアは、やっぱりタイムテーブルのうしろに帳尻あわせてくるタイプの働き方(というかマインド)なんですねぇ…。これまで経験した国でいうと、タイ、韓国も後ろに合わせてくるタイプ(だから事前に全然決まらない)でした。


仮設トラスを下ろして作業をして、ふたたび上げたらなんとトラスの端っこが会場の柱に常設されている別の機材(空調?)とぶつかってしまい、このままでは上がらないということが発覚。
トラスの片方だけを上げて、トラス自体をななめに傾け、スタッフがひもでさらに引っ張りながら上げるという力技。吊った機材がガシャガシャと音を立てて傾いています…(恐怖)


日本ではこれは絶対やらないよねー。と驚愕する日本側テクニカルスタッフたち。


やたら高スペックな音響卓(笑)


ローライズでお尻が半分見えてるけど、頼れる男、音響・プロジェクター担当トーマス。


テクニカルが作業を進めている間、オフィスの会議室では、小さな記者会見が行われました。
明日初日を迎えるマームとジプシーとフランス人振付家、この2組のために、財団の会長とフェスティバルディレクターが同席し、記者を集めて記者会見を開いてくれたのです。
こんなに密に現地の記者の方々と会える機会はなかなかないので、本当に良いチャンスです。


☆ツアーマネージャー的ポイント4
今回のイタリア公演にあたっては、事前に相談して制作の林さんが下記の英語資料を用意しました。
・劇団、演出家のプロフィール
・最新作2作品の紹介
・過去に英語媒体で掲載された資料
これを記者会見に来てくれた記者の方々に配布。明日以降は、本番に来場した記者、他のフェスティバルや劇場のディレクターなどに渡していく予定です。


記者のひとりがこの後、すごく細かく劇団のことを聞いてきたのですが、今回のツアーに関して制作の林さん、ツアーマネージャーの私、でマネージャーを2人も付けていることが信じられないということでした。というのも、イタリアの多くの劇団はマネージャーを付けずに主宰がいろいろ兼業しているらしいです。
フェスティバルディレクターのマウリッツィアも、制作専門の人材がいかに必要かについて熱く語っていました。とはいえ、日本だって制作不在の劇団もたくさんあるんだよということを伝え、制作がいかに重要かは万国共通のテーマだなぁということを再確認することになりました。

で、このあたりから実は私は兼業が始まります。
今回、私はツアーマネージャー兼、字幕オペレーターなのです。今回は初めてのマームとジプシー海外公演とういうこともあり、よりたくさんの方に観ていただいて、次につなげたいという思いもあって、なんとイタリア語と英語のバイリンガルで字幕を出します。
スクリーンに投影された字幕の位置やサイズなど細かく調整していきます。


楽屋となるスペースに、机と鏡も設置。


観客席用のひな壇も設置。


とりあえず、空間はできました!残りの時間は稽古。
横浜の会場とは、大きさも雰囲気も全然違う会場です。


ちなみに今回フェスティバルが作成した広報資料は、フェスティバルのブック、小さなパンフレット、ポストカードの3種類。


☆ツアーマネージャー的ポイント5
フェスティバル側の作成した広報資料は、助成金をもらっている場合、報告書への添付資料として絶対必要となります(コピーでいい場合もありますが)。また、今後の助成金申請など、劇団の活動の中で必要になる場合も多いので、紙は重たいですが、もらえるだけもらっておきましょう!

退館時間になり、今日の作業はこれでおしまい。
同じくフェスティバルに参加するfaifaiの大道寺さんがフィレンツェに到着。何人かでフィレンツェの街に繰り出します。

マームとジプシー制作林さんとfaifai大道寺さん
さて、いよいよ明日は本番です。
どうも、多くの記者の方も明日初日にいらっしゃるようです。
この作品が多くの方の心に届くよう、私も字幕オペを死ぬ気で頑張ります…。