2013/05/17

知ってると便利★パワーポイントで字幕データ作るとき、一括書式変更する方法とか。

ブォンジョールノ! 無事に日本に帰ってきておりますよ~!
昨日まで廃人のように眠りこけておりましたが、ようやく今日あたりから社会復帰を始めつつあります。
イタリアのことで書かなくちゃいけないことはほかにもあるような気はしつつ、それはおいおい更新するとして、今回はパワーポイントで字幕原稿作るときのポイントをご紹介します。
いきなりツアーレポートからテクニカル裏ワザに飛びますよ。

パワーポイントの便利な字幕の作り方、意外に知られていないような気がしています。
これから字幕データを作る方々が無駄な労力を使わなくていいように、ちょっとしたポイントをご紹介します。

もちろん、字幕に関して一番いいのは、観客の読みやすいフォントや文字数、タイミング等全て知り尽くしたうえで字幕データを作成してくれる専門業者さんに依頼することだと私は思っています。

しかし最近フェスティバル/トーキョーの公募プログラムや、TPAMのショーケースに参加する若手の劇団が積極的に英語字幕をつけるようになりましたよね!
それは素晴らしい姿勢だと思うのです!

専門業者に依頼するほどのお金はないけど、自分たちで字幕を作成する、そんなみなさんの一助になればと思います!(あ、とっくにこんなこと知っているよ、という方は今回の記事はスルーの方向で★)

誰でも簡単!パワーポイントで字幕原稿の作り方
*今回のスクリーンショットはWindows7、Powerpoint2010(なぜか途中からPowerpoint2013)を使用しています。

※画像はクリックすると大きくなります
【1】スライドを新規作成後、メニューバーの「表示」をクリック



【2】「表示」の中にある「スライドマスター」をクリック

【3】スライドマスターの編集画面が開きます。
スライドマスターは文字通り、すべてのスライドの大元になります。最初にこの設定をしっかりしておけば、この後、フォントの変更、字幕位置の変更、サイズの変更などはたとえ1,000枚のスライドがあろうと、一瞬で完了。
これをすっ飛ばして、いきなりデータのコピペをするとあとで泣きます。

【4】スライドマスターの「背景のスタイル」(1)から、黒(2)を選びます。一括で全てのスライドの背景が黒になります。

【5】左カラムの一番上のスライド(1)の「マスターテキストの書式設定」と書いているところに、適当に文字を打ち、メニューバーの「ホーム」(2)から適当にフォント、大きさを変更(3)します。
たとえば、原稿が40文字×3段で作られている場合、その文字数が入るようにします。
ただ、最終的にスクリーンに映してみないとその大きさが適切かどうかは分からないので、ここはあくまでも適当で大丈夫。

【6】メニューバーの「スライドマスター」(1)に戻り、マスター表示を閉じます。

【7】元の画面に戻ったら、必要なスライド分新しいスライドを作成します。左カラムで右クリックして「新しいスライド」をクリック。

【8】新しいスライドが1枚増えました。もともとあった1枚目とは、スライドのレイアウトが違うことが分かりますか?このスライドの「クリックしてテキストを入力」と書かれているスペースに入力したものが、さきほどのスライドマスターの書式設定の対象となります。

【9】1枚目は書式が違う(タイトル用)なので置いておいて、2枚目を必要なスライド分あからじめコピーします。500枚なら500枚、1000枚なら1000枚。

【10】必要枚数スライドができたら、あとは原稿をひたすらコピペです。
「クリックしてテキストを入力」と書かれているスペースにちゃんとコピペしてくださいねー!
これが一番大変な作業。もともとの原稿の書式(エクセルの罫線など)がパワポのデータについてこないよう、貼り付けの際には右クリックで「テキストのみ保持」のアイコンを押して貼り付けます。
メモ欄には対応する日本語を貼り付けます。

【11】数時間のコピペ作業ののち、必要枚数原稿ができました!

★字幕の位置を変更する
「スライドショー」でスクリーンに投影したら、実際の想定していた位置より字幕が低かったなんてことはよくありますね。
さぁ、そんなときこそメニューバーの「表示」→「スライドマスター」で、マスタ―の位置を上げてみましょう。上げた後は、「マスター表示を閉じる」。

元の画面にもどったら、一括で全てのスライドの文字の位置が上がってますね!

★文字の大きさを変更する
大きさ変更もスライドマスターさえいじれば一瞬!「表示」→「スライドマスター」でマスターを表示させた後、メニューバーの「ホーム」に行き、ダミーで入れてある文字をドラッグして反転表示させたらサイズを変更してみましょう。

スライドマスターを閉じたらほら!全部の文字が一括で大きくなりましたよ~。

これを知っていれば、フォントや行間の変更なんかも一瞬です。
スライドマスターさえ設定してあげればよいのです!
逆に、1ページだけレイアウトを変えたいときは、そのページの文字を【8】の「クリックしてテキストを入力」の枠線以外のところに入れてしまえば、このテキストはマスターで変更ができなくなります。

★応用編
今回、マームとジプシーのイタリア公演では英語字幕とイタリア語字幕を出したのですが、その場合もスライドマスターでらくらく設定できます。



【5】で、文字原稿が1種類だけなら一番上のマスターを使用すればいのですが、2種類文字原稿を使いたい場合は上から5番目のマスターを使用します。
たとえば、イタリア語の設定は左側(テキストA)、英語は右側(テキストB)に入れます。

元の画面に戻ったら、2枚目のスライドを作るときは「ホーム」→「新しいスライド」(1)から「2つのコンテンツ」と書かれたデザインのものを選びます。あとは、この2のスライドをまた必要枚数分コピペすればOK!その後は全部同じ。


どうでしょうか?簡単でしょ~。

実際に字幕操作を行う

原稿作るところまでだと、なんか片手落ちな感じがしたので字幕操作のとこまでやりますか!
(以下はWindowsでの手順になります)

【1】デスクトップ上で右クリック。「画面の解像度」を選択

【2】下記のような画面がでてきます。プロジェクターとPCが接続されていれば、ディスプレイのところに(2)が出てきます。モニターが2台になるように設定します。

【3】パワーポイントの画面に戻り、メニューバーの「スライドショー」から「スライドショーの設定」を選びます。

【4】スライドショーの設定の右下の「発表者ツールを使用する」にチェックを入れる。(プロジェクターを接続していない場合、ここにチェックを入れるとエラーが出ます。)

【5】「発表者ツールを使用する」にチェックを入れてスライドショーを開くと、プロジェクターには字幕原稿のみが投影され、手元のPCには下記のような画面が出ます。(下記のスクリーンショットはPowerpoint2013バージョン。2010以前の画面は白いのですが、まぁ似たような画面が出ます。)
メモ欄に打った日本語をみながら、俳優のセリフにあわせて1枚づつスライドを送っていけば字幕操作は完璧!


お役に立ちましたでしょうか~???
ちなみに今回の文字原稿の見本は日本昔話の「ぶんぶく茶がま」にしてみました~♪