2016/03/24

舞台芸術の制作者たちが集う 「ルイーダの酒場」を作りたい!

トヨタが企業メセナ協議会と連携して運営するアートマネジメントに関する総合情報サイト「ネットTAM」の「芸術環境KAIZEN事例集」にExplatを取り上げていただきました!

http://www.nettam.jp/kaizen-file/9/

このインタビューの中でも触れているのですが、舞台芸術の制作者、そして制作者のみならずその周辺の人たちを巻き込んだオンラインのプラットフォームを作りたいという考えがずっとありました。


舞台芸術の制作者の労働環境に関わる問題点はいくつかあって、それは例えば
  • 人材募集が経験者優遇(即戦力重視)で新卒者の募集が少ない
  • 公共劇場の人材募集が欠員補充中心で、募集時期が前年度の秋以降
  • 指定管理者制度に起因する公共劇場人材募集の非正規雇用(有期契約)化
  • 非正規雇用者の改正労働法による 5 年未満の雇い止めの可能性
  • 転職市場が未整備
  • 社会的に専門性の認識が低く、専門的資格制度がない
  • 就労者のスキルアップが、OJT 中心で専門的な研修機会等が少ない
  • 将来的なキャリア形成が見通せず、30 代の前後で辞める人が多い
  • 給与水準が低く、やりがい搾取になりがち
ということなどなどなのですが、これらひとつを取り上げても、そうなってしまっている要因を探ると、さらに複数の要因に分かれていく、という非常に複雑な状況になっています。

これを倒せばすべてが変わる!みたいなラスボスがいるわけでなく、どれがラスボスかわからない状態で、バイキンマンは見当たらないけどカビルンルンは無限にいる!みたいな状況が今なのではないでしょうか。

誰しもがこの状況がよくないと思いつつ、この状況になってしまっているというのは、負の状況同士でパーツがカチッとはまってしまって、もうどこからどう手を付けたらいいかわからないくらいにすべてが連鎖し、負の状態で生態系が完成されてしまった状況でもあるとも言えると思います。

この現状の中で、Explatが単独で出来ることは残念ながらほとんどありません。
Explatがやるべきことは、今までつながらなかった人や組織を結び付けて、そして全体でより良い方向に変えていくということだと思っています。
それには時間がかかります。

とはいえ、そんなにゆっくりもしていられないので、かなりスピードあげていろいろやっていますが、それでもまだExplatも立ち上がって9か月なので、いろいろリソースが足りず、うぉー、追いつかなーい!という感じでハムスターの車輪のように頭の中だけが高速回転しています...。

でも、上記の問題点が業界全体をまたがった時間のかかる根の深い問題だとしたら、
まずは個人レベルで改善していけるものから取り掛かるべきと考えました。

まずはどこから?と考えたときに、「長時間労働」の改善が真っ先に出てきました。
なぜ長時間労働になりがちなのか?もちろん理由はいくつかあります。
劇場の開館時間が9時(もしくは10時)-22時だから、というのは理由の一つですがこれまた変えがたいものです。この業界ならではの特性なので…。

ほかに長時間労働になりがちな理由としては、業務効率化が図れていないということもあるのではないかと考えました。

制作者の多くがそのスキルやノウハウをどうやって身に付けているかというと、OJTと言えば聞こえは良いですが、「習うより慣れろ」で職人的に、実際の現場に入って先輩から口伝で伝えられているのではないでしょうか。
忙しい現場では「なぜそうか?」なんて考える暇もありません。
とにかく実践あるのみ、分からなければ聞け、です。

もちろんこの教育法の良さもありますが、デメリットとしては効率的ではない(自分が実際に担当した分しか学ぶ題材がないので、知識の偏りもある)、体系化されていない、現場の慌ただしい中に放り込まれるので「分かったつもり」になりがち、などもあると思います。

また、舞台芸術の制作者はアーティストと同じく、定期的にインプットの必要な職業だと思っています。
それは本を読むことであったり、観劇すること、音楽を聴くこと、映画を見ること、いろんな人と話すこと、いろいろな方法があると思います。
作品を社会とつなぐ役割を担う制作者は、つねにインプットを行って、自分のなかにいろいろなアイデアや視点を貯めておく必要があります。

しかし、どうしても日々の雑務に追われがちで、仕事とはまた別の「自分のためのインプット」に頭や時間を使うことができなくなりがちです。それで疲弊してクリエイティビティをなくし、事務屋のようになってしまうと仕事の面白みを見失い、その結果辞めてしまうということにもなってしまうのではないでしょうか。

少しでも制作者の業務を効率化して、長時間労働を改善したい、インプットの時間を確保して制作者としてのパフォーマンスも上げたい、と思ったときに考えたのがこのオンラインのプラットフォームでした。

たとえば、海外ツアーに行くときに、以前にその国に行った制作さんから話を聞きたい!というとき、これまでは周辺に声をかけてみて、運よく見つかったり、見つからなかったりということだったと思います。
これがうまくつながれば、自分一人で手探りで1から全部を立ち上げる必要がなくなります。
もちろん海外だけではなく、日本国内のツアーであっても同じです。

また現場で人手が足りなくて、人探しをするのだって結構大変ですよね。
その一方、来月仕事が少ないなぁ~などと思っている制作さんもいるかもしれません。
この2人がうまくつながって、仕事の機会の最適化ができれば、お互いにとっていいことですよね。

離れていた点と点が繋がることで生まれる新しい価値があるんじゃないか、というのが根幹にあります。

もちろん最初からすべてがうまくいくとは思いませんが、試行錯誤しつつ、今まで制作者の中にしか蓄積されていなかった「専門知」と「現場知」を、いい形でオープンソースにしていき、業務効率化&仕事の機会の最適化を図りたいというのが目的です。

モンハンのギルドみたいな...いや、でも敵を倒す訳じゃないから、その時々で一番いいメンバーを探す...ドラクエのパーティー組むみたいな...というようなことを話していたら、NEXTのスタッフでExplatの事務局メンバーでもある斉木さんが「ああ、それって舞台芸術の制作者版のルイーダの酒場ですね!」という言葉をくれたので、もう私の中ではこれはルイーダの酒場です。


それで今、ルイーダの酒場を実現するためのアンケート実施中です。

答えていただくと最後に「1. Explatの会員ページにあったらいいなと思う機能はどれですか?」のみなさんの答えが見れます。

今のところポートフォリオと、お手伝い募集に需要がありますね。
自由記述でもいろいろな回答を寄せていただいております。


このルイーダの酒場、これで終わりではなく、これが立ち上がった後のさらなる展開も考えております。
まずは、ぜひみなさまアンケートにお答えいただけますと幸いです。

どうぞよろしくお願いいたします!