2013/09/18

演出助手で参加しています→日韓共同製作プロジェクト『つれなくも秋の風』

台風が過ぎ去り、風の匂いがすっかり秋っぽいですね。

私が初めて「演出助手」という肩書をいただき参加している、日韓共同製作プロジェクト『つれなくも秋の風』の詳細が発表されました!
韓国のフェスティバル・ボム(Festival Bo:m)、十六夜吉田町スタジオ、そして急な坂スタジオによる共同製作プロジェクトです。

この作品の演出家、ソ・ヒョンソクさんの作品を私が最初に見たのは2011年春のフェスティバル・ボムで上演された『ヘテロトピア』でした。
ソさんの作品はほとんどがサイト・スペシフィック(特定の場所で上演するために製作された作品。通常の演劇が基本的にはいろいろな劇場で上演可能なのに対し、その場所でしか上演できない形式のもの)です。


この『ヘテロトピア』は、ソウルの経済発展に伴い都市計画の一環として建設された巨大なショッピングモール(上は住居になっている)とその周辺の未開発のまま取り残された地域が舞台でした。
韓国語も分からないままその作品を体験した私は、言っていることはさっぱりわからないけれど、それでもその土地の歴史・記憶と現在を鮮やかに結びつける(体験させる)その作品にとにかく衝撃を受け、なんとかしてソさんを日本に紹介できないかなぁ、いや、すべき!と強く思いました。

ソさんは作品を作るだけでなく、じつは批評家として一面もあり、その年のフェスティバル/トーキョーの「批評家inレジデンス」に韓国の舞台芸術批評家のおひとりとして参加していただくことになりました。この「批評家inレジデンス」でソさんが書いた「舞台芸術の最先端、災難のカオスを再現するー日本の代表的なダウォン芸術フェスティバル、Festival/Tokyo」は、フェスティバル/トーキョー11 ドキュメントにもまとめられています。

私はその2011年でフェスティバル/トーキョーを退職しましたが、その後の2012年もソさんは「F/T公募プログラム」の審査員を務めています。彼の作品を観る目、言語化する能力が評価されてのことだろうと思います。

2012年に韓国に渡ってすぐにソウルでまたソさんの作品『ヘテロクロニー』を体験し、そのときのレポートはこのブログにも書いています。このときにやはり「すごいアーティストだなぁ」としみじみ思いました。
その後もソさんの作品はいくつか観ているので、日本人の中で一番彼の作品を見ている(体験している)のは間違いなく私です!と胸を張って言えるのですが、「批評家」としてのソさんは日本に紹介されているけれど「アーティスト」としてのソ・ヒョンソクがまだ紹介されていないままであることがずっと心に引っかかっていたのです…。

そして今回満を持して、十六夜吉田町スタジオ、急な坂スタジオが共同製作でソさんの作品が日本で上演されます!本当にうれしく思います!!

日韓共同製作プロジェクト『つれなくも秋の風』は、観客と俳優がペアを組み、10分毎に1組づつ出発し横浜の急な坂スタジオ周辺を巡るツアー形式です。

詳細は急な坂スタジオのHPを見ていただければ分かりますが、
「結婚と契約と記憶を巡る物語。隣にいる俳優を信じ、前に進んでください。」
作品に関して今言えることはこれだけです。

さぁ、私を信じて、予約して、俳優を信じて、前に進んでください(笑)

特殊な形態なので、予約数には限りがあります。
予約開始は9月28日(土)10:00です。
どうぞどうぞよろしくお願いいたします。