2012/04/22

GoogleのARメガネは演劇の字幕にぴったり★

今月の初め、こんなニュースが出ました。

(2012年4月5日)

この記事を読んで最初に思ったのが、「このメガネが実用化されれば、ようやく字幕問題が解決できるかも~!」ということでした。

字幕問題というのは、海外の舞台芸術の作品を鑑賞するときの字幕の見ずらさのことです。
海外の舞台芸術作品を劇場で見たことがある人ならば誰しも感じたことがあるのではないでしょうか。
俳優の動きをじっくり見たいのに、視点をそこに合わせてると字幕が読めない(=内容が追えない)から、メインは字幕を見つつたまーに俳優を見る…。
もしくは、俳優の動きをじっくり見る代わりに内容を理解するのを諦める、そんな身を引き裂かれる思いのことを字幕問題と勝手に呼んでいます。
でもそもそも、字幕を追っていて俳優が観れないなんて本末転倒ですよね…。


だからこそ、企画側は字幕の位置や大きさに苦心をするわけですが、
舞台が広くなればなるほど、字幕と演技者に距離ができてしまうのは避けがたく
しかも舞台美術にこだわりのある作品の場合は、舞台美術の美観を字幕で損なわないよう
配慮せねばならず、さらに劇場内の販売した全席から字幕が見えなくてはならないので、
もうこれはほとんど、よくある舞台の両端に設置パターンか、舞台上部設置パターンかになってしまうわけです。
理想的には鑑賞者が演技者を観る視界の中に字幕も収まるのがベストですが、これは本当に難しいです。

字幕のほかに同時通訳という選択肢もあります。
一般的な同時通訳の場合、イヤホン越しに、俳優が話している言葉に上書きする形で日本語音声が聞こえてきます。
字幕を観る必要がないわけですから、自由に舞台を見ることができます。
ただ、例えば登場人物が10人いても10人の通訳者を用意するわけにはいかないので、10人分を同じ人が話すことになりますし、しかもその通訳者は俳優さんではないので、俳優の抑揚のある発生の上に棒読みの音声がかぶさってくるわけです。

字幕も同時通訳もそれぞれに良いところも悪いところもあり、これを解決するにはドラゴンボールのスカウタ―が実用化されるのを待つしかないってずっと思っていたんです。

それで最初のニュースに戻りますが、このARメガネができたら字幕にぴったりじゃないですか。
どこを見ていても視界の端っこに字幕が出るのであれば、今までの問題の多くがクリアされますよね。

そうすればきっと、機材を一式レンタルしてくれるメガネのレンタル業者もできるはず。

ちなみに、このメガネを装着した時のイメージ動画もgoogleさんが作成したようで。
↓こんなかんじらしいですよ。




もちろんこれを現在の字幕の代用とする場合には、コストの問題はありますが、きっと機能限定した廉価版のメガネなんかもでてくるんじゃないかなぁ、と。
むしろ一般化したあかつきには、自分のマイメガネ持って来てください、なんてこともできるかもしれませんよね。

さぁ、10年後の字幕はどうなっているでしょうか?