2018/12/10

キャリアの最初3年は副業をしない方がよい理由

昨日、「自由な働き方」というある意味での地獄というタイトルの記事を公開したら、今日「「働きやすい会社」に転職してもすぐに辞めてしまう意外な理由」というエントリーがダイヤモンド・オンラインで公開されていて、もうここに全部書いてあるじゃん、と思った...。

弊社は副業を禁止していない。
そして世の中的にも「副業解禁」の流れは進んでいる。

だけど、キャリアの最初はこの「副業」の本質もよく分からずに、結局本業に支障をきたす(自身のキャリア構築の阻害要因にすらなってしまう)こともあるなぁというのが実感である。
自分自身の「本業」部分が自他ともに認められるくらいに確立するまでは、副業に手を出す場合ではないというのが、いろいろ実際に見てきたうえでの私の考え。

そもそも「副業」というのは、自身が培った専門性を社内以外のところで活用して、そのことで高い報酬を得たり、社内以外の知見や人脈を培ったり、その人の専門性(つまりは「本業」)にプラスになるものでなければ正直やる意味がないと思う。
決して、空いた時間にコンビニでアルバイトすることではない。
また本業に近い仕事だとしても、学生でもできるような業務に時間を使っている場合ではない。



もしあなたが今の会社の報酬に不満で、もっとお金を稼ぎたくって「副業」(というかキャリアの浅いうちはただの「バイト」なのだが)をしているのであれば、もっと組織の貢献度を挙げて自分の報酬があがるように努力すべきだ。
未来永劫バイトをし続けるつもりならば、そうだそのままつき進め。

残念ながら世の中に出たら、報酬というのはあなたの「成果」や「専門性の熟練度」に対して払われるのであって、年齢とともに自動的にあがっていくようなものではない。
また、機会すら均等ではない。
「できる人」のところに「機会」も「報酬」も集まっていき、またそれを糧にさらに「できる人」は次のフェーズに入っていく。

キャリアの最初は自分自身の能力開発、つまりは成長角度を上げることに200%でコミットするべきだと思う。それで20代後半からのあなたの人生は全く違うものになっていく。
あなたがバイトに費やしている時間で、同僚は本業にフルコミットしているのだとしたら、危機感を覚えた方がいい。
最初から逃げ道を用意している場合じゃない。

専門性の高い人が1日で書き上げる企画書に、3日間かけることが許されるのもキャリアの最初だけ。その贅沢な時間でたくさんインプットして、周囲の人に見てもらって、修正して、そのこと自体にきちんと時間を費すべきである。
1日でできるところまでで止めて、あとの時間でバイトをしている場合じゃない。

何をやればいいのか分からなくても、とにかく自分の「頭」と「手」と「足」を動かすこと。キャリアの最初に「基礎力」を徹底的に身に付けるべし。
「これでいい」と思ったところからさらにもう一段階深掘りするべきだし、実際にできるものだ。そんな時間の使い方は20代のうちしかできないと思った方がいい。

まだ「無名」のうちにとにかく基礎力を付けるべし。
そしてチャンスが与えられたら最大限こたえるための準備をしておくべし。

そういう意味で、キャリアの最初から「フリーランス」になる人は、組織に入るよりもずっと険しい道を選ぶことになる。だけどプロフェッショナルとしてのマインドセットの構築は、組織に入る人よりも早いかもしれない。社会のなかで、いきなり身一つで戦わなければいけないのだから。

とにかく、最初の3年でどれだけ「成長角度をあげられるか」が重要だ。
万が一、仕事と自分の性格がミスマッチだとしても、フルコミットしておけば「この仕事は合わないから次に行こう」と踏ん切りがつくだろう。

逃げ道を確保しながらずるずるやっていると、自分の適性を見極めることもできないまま「なんとなく不満」で「なんとなく楽しくない」、そんな閉塞感のまま30代があっという間にやってくる。

だから、キャリアの最初3年は副業をせず、とにかく自分の「本業」のプロフェッショナルとしての自分を徹底的に磨くのだ。