2015/03/04

韓国の制作者育成(上級者向け)アカデミー『フェスティバル・ボムと一緒に行う、1110プロジェクト』について

一昨日から韓国(ソウル)に来ております。

同居人のモフ太郎…いや、本名はヨーダ。

今週に関しては『NEXT国際文化交流アカデミー“フェスティバル・ボムと一緒に行う、1110プロジェクト”』に講師としてお招きいただきました。
このアカデミーの枠組みに感心しているのですが、肝心のウェブサイトがハングルのみ、しかも画像処理されているのでWeb翻訳にもかからない!というわけで、このプログラムの重要なところだけ翻訳してみましたよ。



オリジナルのサイトはこちら:http://festivalbom.org/notice/project1110/ (韓国語のみ)



2015 NEXT国際文化交流アカデミー
フェスティバル・ボムと一緒に行う、1110プロジェクト
~プロデューサーの実力強化プロジェクト~

【対象・定員】 経歴3年以上の舞台芸術の企画・制作者 20名

  • 芸術分野で3年以上企画実務の経験がある人(ジャンル不問)
  • 今後1年以上、独立したプロデューサーまたは民間の芸術団体のプロデューサーとして活動する予定のある人
  • 英語での会話、メール作成が可能な人(グループディスカッションは英語で進行予定)

【期間・課程】

  1. 共通課程 2015.3.2(月)~3.6(金)14:00-18:00(全20時間)
  2. 実践課程 2015.3.13(金)~4.19(日)(フェスティバル・ボム インターンシップ期間)
  3. まとめ   2015.4.22(水)/4.29(水)

【運営方法】 講義/討論/実践

【アカデミー内容】
ネクストアカデミーは国際文化交流のための人材養成事業の一環として、舞台芸術または視覚芸術分野の経歴がある人にむけた実力強化プログラムです。KAMS(Korea Arts Management Service)が主催し、国際ダウォン芸術フェスティバルであるフェスティバル・ボムが主管するこのアカデミーは、アーティスト/芸術団体の海外ツアーマネージメントや劇場・フェスティバルでプログラミングを行うことができるプロデューサーとして成長するために、実力を強化しようとするプロデューサーたちを対象にしています。

プロデューサーとして国際交流業務を進行するためには実務的な技術やネットワークの確保も重要ですが、自分だけの明確な主観や態度を持つことも、やはり必需的な条件です。
どのような主観や態度を持つべきかという質問にそれぞれが答えを探してみるのがこのプログラムの目的です。このため10か国で+100個の作品を観て+1,000名に会う(1110プロジェクト)をひとつのモデルとして実施し、この必要性や国際的なやり方に関して海外プロデューサーたちと一緒に紐解いていきます。

教育課程は講義・討論方式で行われる1段階目:共通過程があり、フェスティバル・ボムでインターンシップとして活動する2段階目:実践課程があります。フェスティバル終了後に行われる3段階目はインターンシップに関してのフィードバックと、課題に対する個人コンサルティング、また優秀教育生の選出を行う公式的なまとめになります。公式過程終了後、さらに海外フェスティバルと連携する「海外インターンシッププログラム」に関しての案内が提供され、優秀教育生が海外フェスティバルインターンシッププログラムへの派遣を望む場合にはフェスティバルボムが一部支援を行うこともできます。

【教育課程概要】
1) 共通課程:講師陣による集中講座とグループ・ディスカッション
講師陣:
イ・スンヒョウ:フェスティバル・ボム 芸術監督(韓国)
市村作知雄:フェスティバル/トーキョー ディレクター(日本)
ウルリケ・クラウトハイム:ドラマトゥルク(ドイツ)
植松侑子:フリーランス制作者(日本)
ジューン・タン:ファイブ・アーツ・センター プロデューサー(マレーシア)
ピエール・イラスク:ESPACE29キュレーター(フランス)

2) 実践課程:インターンシッププログラムと海外ゲスト特別講義
特別講義:日本のNEXT制作塾など海外パートナーと連携した特別講義を予定

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何がいいかというと、まず経歴3年以上という条件から分かるように在職者のステップアップを目的としていること、そしてさらに「国際文化交流のための人材」と明確に目的を設定していることだと思います。

また、講義だけではなく、フェスティバルの一番忙しい時期にインターンとして投入されるという、超実践的なところも素晴らしいと思います。経歴3年以上の人が対象になっていますから、とはいえ現場の雑務レベルでいうと、もう新しく学ぶことは実は少ないのかもしれません。しかし自分がいつもやっている方法論や考え方とは違う場所で働くというのは、ある程度の経験を積んだ後からでも(だからこそ)必要なプロセスだと個人的には思います。

そしてフェスティバルにとっても一番忙しい時に経歴3年以上の人達が20名もインターンで来てくれるというのは、もうこれほどWin-Winなことがあるでしょうか!

このネクストアカデミーはKAMS(Korea Arts Management Service)が主催しているとありますが、KAMSの人も何名かこのアカデミーにいたのでいろいろと伺ったところ、何か企んでいるようです。そのあたり次回(かそのあたり)ブログでご紹介したいと思います。
たぶん日本の舞台芸術関係者にとっても関係してくることもあるのかな、と思うので。