日本の作品がアジア地域で上演される機会は、ここ数年で目に見えて増えてきている。
アジアで作品を上演する場合のみに限ったことではないが、特にアジア地域の場合は国によって経済状況が全く異なるため、日本の団体を招聘する際に招聘者だけが費用の全額を負担するのは考えにくい。参加する団体、そして招聘者(主催者)がそれぞれ公演する国、もしくは日本の助成金を取得し、かかる費用の一部に充当するのが一般的である。
しかし、これまでアジアの国際交流を支援するさまざまな制度やプログラムの情報は各国ごとにバラバラに存在しており(その国の情報ですらひとまとめになっていない場合も多い)、それらをまとめて参照できるデータベースが存在しなかった。
そこでAsia-Europe Foundation(ASEF)が、同財団が運営するポータルサイトculture360.orgを通じてアジアの18カ国のモビリティ·ファンディング·ガイドを作成した。
この調査にあたっては、Korea Arts Management Service (KAMS)、 国際舞台芸術交流センター(PARC)、国際舞台芸術ミーティング(TPAM)、Arts Network Asia(ANA)が協力している。
マッピングの主な目的は、オンラインで利用できる透明性の高い方法で、アジアのアーティストや文化的交流を担う人々の国際移動のための資金調達に関する既存の情報を集約し、また、既存のギャップをどのようにして埋めることができるのか、資金提供者に情報を与えることである。
このガイドは「Guide to funding opportunities for the international mobility of artists and culture professionals in Europe」(ヨーロッパにおけるアーティスト・専門家の国際移動の資金調達の機会ためのガイド)をモデルに作成され、国家のリソース(もしあれば)、および助成機関(公共および民間)がリストされている。
オンラインでアクセス可能な定期的な機会のみリストされており、公募ではなくクローズな環境でしか利用できないものや、特別な機会のみのもの、短期のものはここにリストされていない。
アジアASEM諸国のそれぞれの国にフォーカスした18のガイドに加え、アジア全体、すべての国に対して開かれているものの2つを加えた20のが
調査対象国
- ブルネイ
- 韓国
- フィリピン
- カンボジア
- ラオス
- シンガポール
- 中国
- マレーシア
- ベトナム
- インド
- モンゴル
- オーストラリア
- インドネシア
- ミャンマー
- ニュージーランド
- 日本
- パキスタン
- タイ
日本のものを見てみると、国際交流基金や文化庁はもちろん、2国間交流の助成団体として、大和日英基金、グレートブリテンササカワ財団、笹川日仏財団、日韓文化交流基金などが挙げられ、民間財団ではポーラ美術振興財団、ローランド芸術文化振興財団、東芝国際交流財団、トヨタ財団、アサヒビール芸術文化財団などがリストにある。(これらは一部)
このリストの作成にあたって、日本はPARC - 国際舞台芸術交流センターと、国際舞台芸術ミーティング(TPAM)が協力しているだけあって、日本のものは全18か国の中でもかなり質の高いものになっている。
その他、オーストラリア、韓国のリストもかなり充実しているようだ。
その他、全リストはこちらのAsia-Europe Foundation(ASEF)のサイトから。
(下にスクロールすると国別のリストのリンクが張られている)